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#2: V.J. Day - Four Seasons in the U.K.

26回目の誕生日と
50回目の終戦記念日を
地球の裏側の戦勝国で過ごすなんて
思ってもみなかった

ハイウエイ飛ばす車の上に
今降り注ぐ真夏の日差しは
どこまでも透明で
忌まわしい記憶のかけらもない

政治家たちは相変わらず
見苦しい芝居を続けるだけだが
僕には世界を変えることなんてできない
でも僕の中の世界は変えることができる

NEGATIVEをZEROにするだけの空しい努力は
もういい加減終わりにしたいのさ
今や僕らの一切の罪はあがなわれ
全てをPLUSへと導く時がきているのだから


1995年8月15日、ヨーロッパ人が「V.J.(VICTORY JAPAN) DAY」と呼ぶこの日、僕はロンドンのとある場所で、英国人セールスマンと一緒に、発売したばかりの電話交換機の設置作業をして、まる一日を過ごした。
煮え切らない不戦決議、ぼやけたままの戦争責任、海の向こうから伝わる混迷の政局と、第二次大戦を余りにも無批判に「神の恩寵による正義の勝利」と規定して憚らない、英国の戦勝記念行事との落差にわずかに釈然としないものを感じつつも、サマータイムの熱い日差しが、そんな戸惑いさえ全て洗い流してくれると信じていた26歳の夏だった。
そして僕らの父親たちが焼け跡から立ち上がり、歩き出してから半世紀ちょうど、僕は今こうしてかつての敵国の地で仕事をしているけれど、決して自分を「経済戦争の進駐軍兵士」とは定義したくない。僕だって決して、ナショナリズムとコスモポリタニズムとの二者択一の命題から自由ではないけれど、少なくとも僕が働きたい職場は、真の多国籍企業としてのPanasonicなのだから。


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