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#4: Dreaming of the United Kingdom - Songs from Panasonic |
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金曜日、午後10時半過ぎ、昼間あれほど騒がしく活気にあふれていた海外営業にも人影は消え、大きなオフィスはまるでからっぽの宇宙船のように、夜の中を静かに漂い始める。僕は仕事を終え、机の上を片付けながら、「これまで」と、「これから」について、ほんのすこしだけ考えていた。 イギリスへの転勤予定日まではあとわずか1ケ月、やっと不安も消え、心も落ち着いてきた。耐え難い困難に遭遇するリスクがないわけじゃない。でも2年間この福岡で仕事をして、曲がりなりにも「いろは」を身につけ、新しい飛躍へのカギを求めていた矢先、やはり願ってもないチャンスととらえるべきだろう。 最終バスの5分前、僕は部屋の明かりを消して、非常階段を降りて帰り道へとついた。4階から見る街の明かりは決して華やかではないけれど、僕の心に冷たくて透き通った風を運んでくれる。祈りに似た気持ちが胸ににじんでゆく。未来のキャンバスはまだ白紙のままだけれど、筆を置いて考え込むだけの時間はもう終わりにしなければ。 イギリスにかける夢、今はまだ語るべきものなし、されどいつの日か・・・。
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